牛ふんからバイオガス 実証プラント本格稼働 滋賀県竜王町xダイハツ工業(動画あり)
同社は、農家から1日約2トンの牛ふんを回収。プラントで14日間発酵させ、ガスと堆肥、液肥を作る。ガスは溶鉱炉や発電機の燃料に使う。堆肥は1日600キロ、液肥は水を加えた分の同2・6トンできる。
堆肥製造には、車づくりの技術を生かす。車両生産用のロボットやライン、鋳造部品製造時の脱臭設備を流用し自動化を実現した。
肥育農家は、おが粉を敷料に使うことが多いため、水分の少ない牛ふんになり発酵が難しい。そこで同社は、種菌を2年かけて開発し、大規模なタンクがなくても発酵でき、自動車製造のように個別管理を可能にした。
「近江牛」2750頭を飼う澤井牧場の澤井隆男代表は「自身でふんを堆肥にしなくて済み、1000万円ほどのコスト低減になった」と利点を語る。
ファームタケヤマの竹山勉社長は、堆肥を米麦やキャベツの土づくり、液肥を元肥に活用する。竹山社長は「『きらみずき』の田で試したところ品質は安定していた」と喜ぶ。
ダイハツ工業は、2021年からNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成で、バイオガス製造の技術開発を町や農家らと進めてきた。