給食無償化「法改正が必要」 文科省 省予算では「不可能」
同省は6月に調査結果を公表、課題整理もまもなく終わる。日本農業新聞が調査関係者に取材し、判明した。
平均給食費や在籍児童生徒数などを基に、総額5100億円が必要と算出。同省の25年度一般会計概算要求額は5兆9530億円の約1割となることから「文科省予算だけでは捻出できない」との立場を明示した。
また、国が無償化の費用を拠出する場合の法的課題として、食材費の保護者負担を定めた学校給食法との整合性が問われることから、「法改正が必要」との認識も示した。
一方、生活困窮世帯の給食費は原則無償化しているため、格差是正の効果は乏しいのではないかと指摘。また、全国の4%に当たる給食未実施校などとの公平性も問うている。
跡見学園女子大学の鳫(がん)咲子教授は「給食は食育の生きた教材であり農水省も食材費を支援するアイデアを出すべきだ。無償化費用を半額負担する東京都の事例もある。国民全体で子どもの食について考えてほしい」と語る。
(佐野太一、糸井里未)