国家貿易枠内の売買同時契約(SBS)が全量落札となったことで、江藤農相は「(民間貿易で)主食用米を輸入している事実は間違いなくある」と述べた。民間貿易で米を輸入する場合、1キロ当たり341円の関税を払うが、「国産米の価格が高いこともあって、関税を払ってでも買う業者がいる」とした。
主食向けに輸入米を調達するにはSBS入札が一般的だ。2024年度は年間枠10万トンが既に全量落札となったことで、主食向けにカリフォルニア産中粒種などジャポニカ米の民間輸入に踏み切る業者が出ている。
米の民間貿易の実績を振り返ると20年度が426トン。ただ、従来は多くが希少な長粒種などだった。
一方、江藤農相は東北や日本海側の大雪について「被害の状況をできるだけ早くつかむ努力をしている」と説明した。農業などの被害状況の把握を急ぎ、国からの人材派遣などで自治体との連携を進める考えを示した。
青森県によると、9日午前9時時点では、農業用ハウス21棟、農業用倉庫1棟、牧草保管庫1棟などの被害が確認されている。江藤農相は「これが全てだとは思っていない。他の県も当然あるだろうし、青森県も他にあると思う」と述べ、被害状況の把握を進める考えを示した。
キャベツの価格上昇を巡っては「消費者にとっては非常に負担だと思う」とした上で、「農家が値上がり分を全部利益として確保できているかというと、決してそうではない」「農家も大変な苦労をしながら出荷の努力をしている」と話し、消費者の理解を求めた。
キャベツは、主産県での小玉傾向や歩留まりの低下で出荷量が減少。同省によると、昨年12月23日の週(23日~25日)に、平年(過去5カ年平均)比3・4倍の価格を付けた。