コイン精米の稼働率上昇 縁故米や直売の流通増加で
東京、埼玉、神奈川の3都県で約60台のコイン精米機を管理している奉徳はないけ(東京都昭島市)では、24年産米の出回りが本格化した昨年9月以降、コイン精米の売り上げが前年同期から1、2割増えた。稼働率がピークとなる11月あたりは、玄米の持ち込み量が合計で300トン以上となる見込み。近年は稼働率が微減傾向にある中で、「今年は急変した」(同社)とし、「生産者と直接つながる消費者が増えた」(同)とみる。
産地でも、コイン精米機の稼働率が伸びている。コイン精米機「米ぼうやくん」などを手がけるタイワ精機(富山市)は、県内で約40台のコイン精米機を自営しており、昨年9~11月のコイン精米機による売り上げは前年同期比で約2割伸長した。
加えて、同社が販売する家庭向け小型精米機の販売台数も前年を大きく上回る水準で、11月単月では同2倍超という。同社の担当者は、「縁故米などの流通量が増え、玄米を使う消費者が増えた」と分析する。
24年産米を巡っては、早くも川下の流通業者から米不足を訴える声が相次いでいる。要因の一つに、国の統計などに載らない縁故米や直売の流通量が増えたとする指摘がある。