バイオスティミュラント活用指針策定へ 資材の効果や使用法明確化 農水省
同省は3日、BS資材の製造者や使用者らを委員とする意見交換会の初会合を開き、ガイドラインの検討に着手した。委員からの意見を踏まえ、次回の会合で案を示す。
BS資材は、欧州連合(EU)で肥料製品の一つとして法的に位置付けられるなど、海外では普及に向けた議論が進んでいる。一方、国内では、明確な定義が決められておらず、メーカーなどでつくる協議会が独自に定めている。
同省は初会合で、使用者が安心して使える環境を整えるため、販売や使用に関するガイドラインを示す必要性を指摘した。BS資材の定義を定める他、事業者に対してBS資材の効果や使用方法の表示を求めたり、安全性の確認を求めたりすることを検討する。
委員からは、人への安全性を担保する観点から、「肥料の登録時と同程度の試験を課すべきだ」という声や、ガイドラインに違反した事業者への対応も併せて検討するよう求める意見が出た。
BS資材自体は植物の生育に必要な栄養を含まないことが、既存の農薬や肥料との違いだ。新たに規制を設ける場合は、既存の農薬や肥料を使う農家に影響が及ばないよう求める意見も上がった。
(國本直希)
<ことば>バイオスティミュラント 農薬や肥料とは異なる新たな概念の資材。明確な定義はないものの、動植物の抽出物、海藻、糖類、ミネラル(微量要素)、微生物などを原料とし、品質や収量の向上といった効果を引き出すとされる。欧州などで普及が進んでおり、日本でも2021年に農水省が「みどりの食料システム戦略」で、その活用を掲げた。