碾茶、有機の拡大促進 茶業基本方針案 海外需要にらみ
同日の有識者検討会で示した。同省は検討会などでの議論を踏まえ、年度内にも新たな基本方針を策定する。
農水省によると、2024年の緑茶の輸出額は364億円で過去最高を更新。抹茶がけん引し、ラテ飲料やスイーツの材料として米国を中心に引き合いが強い。有機栽培茶は、海外の残留農薬規制への対応で強みがある。
骨子案ではこうした海外需要を踏まえ、現在主流の煎茶から碾茶への転換、有機栽培への転換の推進を打ち出した。輸出の拡大に向けた戦略的なブランディング、新たな加工施設の整備も盛り込んだ。
会合では、全国茶商工業協同組合連合会の藤田文敏専務理事が「抹茶一辺倒になるのではないか」と心配する生産者の声を報告。同省は「伝統的で高品質なせん茶の生産も変わらず大切なこと」だとし、「(茶種の)バランス取ることが重要」との認識を示した。
生産者の高齢化や繁忙期の労働力不足、栽培面積や生産量の減少を踏まえ、「生産性の一層の向上」を明記。茶園の集積・集約化や、収量や品質の向上に向けた改植の推進、スマート技術の導入などを挙げた。