高温耐性米の開発加速 初の評価施設整備へ 岩手県 来年度予算案
面積約4アールの栽培評価施設を県農業研究センター(北上市)に建設する。圃場(ほじょう)を5角形のハウスで覆う計画だ。
県内では2年ほど、夏の水稲登熟期に日中30度以上、夜間23度以上の高温が続いた。夜間かんがいなどによって品質低下を防いできたものの、「温暖化が進むと、生産者の努力だけではカバーし切れなくなる恐れがある」(農業普及技術課)と、危惧する。
県内での育成と並行して、沖縄県内でも岩手県開発品種の実験栽培を行う。米の二期作ができる沖縄県と連携することで、有望品種の生育に費やす時間を短縮する狙いだ。
1993年に岩手県が大冷害に見舞われた際、翌年に作付けする種もみを石垣島で増殖した。当時、沖縄県の協力を得た経緯もあり、農産園芸課は「温暖な沖縄での実験栽培は新品種開発に効果的だ」と期待する。