大阪・関西万博で、放送作家の小山薫堂氏がプロデュースする食を題材にしたパビリオン「EARTH MART(アースマート)」の内覧会が18日、大阪市の万博会場で開かれた。テーマは「食を通じて、いのちを考える」。枯れた野菜で作ったオブジェや、大量の鶏卵を使ったモニュメント、精肉パックと家畜の出産シーンをセットで見せる展示などで、食と命の循環を感じてもらう。
メイン展示の一つが、人間1人が一生のうちに食事で消費する生命の量を見せる「いのちの売り場」。中でも「野菜のいのち」と題したコーナーでは、78種類の野菜の“枯れた姿”や花、種子などを飾り付けた。長崎県雲仙市で在来種の種を守り続ける農家・岩崎政利さんが提供した野菜を使用。「人間が野菜の生命の途中を搾取して食べていることを実感できる」(小山氏)展示を狙ったという。
「家畜といういのち」のコーナーでは、精肉パックのオブジェの上に、家畜写真家のタキミアカリさんが撮った出産シーンの写真を投影する。
他に会場で梅漬けを作り、来場者に25年後に受け取ってもらえる仕掛けなども用意する。
小山氏は「来場者には食を提供する生産者への理解・共感も深めてほしい」と語った。
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