梨の開花予測マップで一覧 花粉採取適期の目安に 全国初、本紙がサイト開設
広域で梨の開花予測をまとめたサイトは全国で初めて。農研機構が関東地方向けに開発した予測式と過去10年の気象データ、予報などを活用する。サイトには火傷病の情報や梨に関する研究成果も掲載し、火傷病阻止や国内での花粉の安定供給を目指す。
火傷病は梨やリンゴに感染し、枯死することもある経済的損害の大きい病気。中国での発生を受け、2023年に農水省が花粉の輸入を停止した。同省の推計では、国内の3割の梨園地で中国産花粉が授粉に使われ、国産の自給が課題になっている。梨花粉の採取適期は短く、人手も必要になるため、高精度の適期予測が求められていた。
サイト内の「花粉予測マップ」は、「幸水」と「豊水」の自発休眠終了日、開花開始日、満開日、開花終了日を一覧表から確認でき、主な開花日は地図上に示す。予測日は26日先までの予想気温を基に毎日更新される。
サイト内には、生産者や試験場などが開花状況を報告できる「花粉実況マップ」もある。産地からの報告を基に、おおまかな園地の場所と開花状況を地図上に可視化する。報告が増えれば、全国の開花状況が一目で把握でき、産地間での花粉の融通などに役立ててもらう。
今後は、果樹カメムシ類や黒星病などの病害虫の発生状況を投稿によって共有できる機能や、個人ごとの園地の開花を予測する仕組みの開発・追加も検討している。
サイトのURLは、https://nashi.kafun.org/