高温耐性水稲が13%増 24年産が20万ヘクタールで過去最高 主食用の16%占める
高温耐性品種は42府県で作付けの報告があった。主食用米全体に占める割合は1・7ポイント上昇。地域別では、北海道・東北が7・2%、関東から東海の東日本が20・5%、それ以西の西日本が20・4%となった。
前年から大きく面積が増えた品種もあり、農研機構育成の「にじのきらめき」は64%増の5874ヘクタール、鹿児島県育成で九州で普及する「なつほのか」は17%増の6207ヘクタールなどとなった。増加率が最も大きかったのは青森県の「はれわたり」で、182%増の6200ヘクタールと、前年の3倍近くに増えた。栃木県「とちぎの星」、山形県「雪若丸」、富山県「富富富」など、各県が独自にブランド化する品種も伸びている。同省は「どの県も販売戦略を立てた上で耐性品種を普及している」(農業環境対策課)とする。
品種別で最多は、西日本を中心に作られる「きぬむすめ」で2万2980ヘクタール。次いで、新潟県育成の「こしいぶき」が1万8400ヘクタール、山形県育成の「つや姫」が1万7996ヘクタールとなった。
同省が発表した、高温の農業への影響と適応策のリポートの中でまとめた。高温耐性品種は、高温による等級低下や収量減などの影響を受けにくい品種のこと。主食用米は登熟期に高温に当たると、もみにでんぷんが十分に蓄積されずに隙間が生じ、白く濁って見える白未熟粒ができやすくなる。
(古田島知則)