農林業の価格転嫁進まず 30業種中25位 中小企業庁調査
調査は、政府が「価格交渉促進月間」とする3月と9月に合わせて毎年2回行っている。今回は3月までの交渉状況を4、5月に調査し、6万5725社から回答を得た。
価格交渉や転嫁の状況を業種別にみると、「農業・林業」では「原材料費」は44・6%反映できていたのに対し、「労務費」は38・9%にとどまった。企業からは「労務費などの上昇に対する理解が不足している」との声があったという。交渉は行われたが全く転嫁できなかった割合は10・6%で、同2・5ポイント減った。価格交渉で、発注企業から申し入れがあって行ったのは17・4%で、受注企業から申し出て行ったのは36・2%だった。コストが上昇し交渉が必要だったが行われなかった割合は6・8%となった。
全体での価格転嫁率は同2・7ポイント増の52・4%だった。「食品製造」では60・3%、「飲食サービス」では57・3%となった。
武藤容治経済産業相は同日の閣議後会見で「交渉しやすい雰囲気がさらに醸成されつつある」とする一方、全く転嫁できていない企業も残っており「二極分化がみられる」とした。
(本田恵梨)