無花粉杉の量産化へ苗木生産の事業化目指す 東京都
杉・ヒノキ林を伐採し花粉の少ない杉などに植え替える「花粉の少ない森づくり」事業の一環。都は07年から無花粉杉の開発に取り組み、これまでに7品種を開発した。昨年、苗木生産の事業化に向けて協力業者に住友林業を選んだ。
今回の取り組みは、国立研究開発法人森林総合研究所や新潟大学などが開発した無花粉杉の苗木量産技術を参考に試験を進める。組織培養で無花粉杉を増殖。従来の挿し木や種をまいて育てる方法と比べて、効率的に苗木を生産できる。
来年春に、多摩地域などで苗木を試験植栽し5~10年かけて、無花粉であることを確認し、生育や木材としての品質などを調査。量産化技術の確立を目指す。
政府は、杉人工造林の面積のうち、無花粉杉を含めた花粉の少ない杉苗木の植栽面積の割合を現状の50%から28年度に70%まで増やす目標を掲げている。
(中村敦信)