古民家を利用した農業の拠点「やまだ農園」のかやぶき屋根を維持するには、かやの素材となるススキの確保が大切。その場が耕作放棄地だ。「ここが田んぼだったころ、イノシシが入りやすく、棚田で傾斜地のため水が抜けやすかったことなどで、利用しなくなった」という。その後、ススキが生えて〝かや場〟となっている。農業の面からも、かやを畑に敷いたり、肥料に混ぜて利用することで畑の土が良くなっていく。「耕作放棄地は、社会にとっては厄介者みたいな目で見られることもあるが、かやぶき屋根を管理する立場からすると宝物の場」。農閑期はかや刈りで忙しい。(つづく、動画・文=福本卓郎)
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