モチモチ鮮やか野菜たっぷりパスタ 子どもに大人気 広島・中原ファーム開発(動画あり)
地場産米粉ふんだんに
広島県北広島町でホウレンソウを中心に栽培する「中原ファーム」が開発した、地元産野菜と米粉をふんだんに使った生パスタ「ベジパ」が人気だ。鮮やかな野菜の色や米粉の食感が特徴で、野菜嫌いの子どもからも好評。昨年7月から「ホウレンソウ」「カボチャ」「ニンジン」の味を販売する。
同社が「ベジパ」を開発したきっかけは、代表の多川純利さん(38)の野菜嫌いの子どもに、魅力を知ってほしいとの思いからだ。3人の子どもを育てながら、農業に励む多川さんは「子どもにも笑顔で野菜を食べてもらいたい」と話す。
「ベジパ」のホウレンソウ味の場合、1箱(100グラム)当たり半束分のホウレンソウを使う。自社栽培の米「コシヒカリ」を製粉したグルテンフリー米粉と組み合わせ、餅のような食感に仕上げた。
栄養価逃さず製造工程工夫
野菜の栄養価が製造工程で逃げないよう工夫する。収穫1日以内の新鮮な野菜を温風で24時間かけて低温乾燥。その後、粉砕機でパウダー状に砕いて冷蔵保存する。
パスタは着色料を使わない。米粉と野菜パウダーを程よく混ぜたものを、市販の製麺機に投入。生産した麺は生パスタの食感が出るよう、同社の施設で除湿乾燥する。天候に左右されやすい水分量を細かく調整し、色の状態も保つ。仕上がりは鮮やかな野菜の色合いが出る。
同社のホームページや地元スーパー、道の駅などで、1箱700円で販売。特に小さい子どもを育てる主婦層がリピート購入し、「モチモチしていて野菜の香りも絶妙だ。野菜が嫌いな子どもでも食べられた」と好評だ。
多川さんは「野菜を作ることだけが農業ではなく、野菜が持つ本来の魅力を消費者に届けるのも農家の役目だ」と笑顔で話す。