
当日は、同市で2019年4月に始まった毎月一度の「ベジ活の日」。児童生徒の健康と地産地消を狙う一石二鳥の試みだ。1食当たり、子どもが1日に必要な摂取量の約半分、130~160グラムの野菜を使う。
市学校給食課によると、国の国民健康栄養調査結果が発端だった。調査対象の小学5年と中学2年の1日の野菜摂取量が、宮崎県は全国平均の8割、7割で、県民全体でも国推奨の成人の1日摂取量350グラムより100グラムも少なかった。農業が盛んなだけに県はショックを受け、毎日100グラム多く食べる県民運動「ベジ活」を開始。市はこの運動を学校給食にも落とし込んだ。
同給食センターは毎日1万2000食を作る。この日、複数の大釜で調理された県産牛肉使用の「野菜たっぷり焼き肉炒め」は、野菜がトロトロで、肉とうまく絡み合っていた。郷土料理「のっぺい汁」には取れたての都城産ゴボウ、サトイモ、シイタケなどがふんだんに使われていた。
市街地にある姫城中学校の給食時間。給食が楽しみだという3年の井上真幸さんが「郷土料理って自宅ではあまり食べられないから」と理由を語り、わしわしと口に運んだ。
市ではこの他、毎月16日前後を「ひむか地産地消の日」と定め、100%都城産の野菜や牛豚鶏肉を使った料理を出す。JAみやざき都城地区本部の施設きゅうり専門部会、田村周一部会長が「地元産を地元で消費してくれると、作りがいがあります」と言った。
ところで、野菜が苦手な子も食べている?--。記者の質問に栄養教諭の出水里沙さんと大平紗代子さんが笑顔で答えた。「細かく刻んだり、姿形がわからなくなる程煮込んだり、工夫の毎日です」