連携する農家では、ジャガイモや小麦、トウモロコシなどの他、カボチャ、ブロッコリー、トマト、ダイコンなどを栽培している。モデル構築の取り組みでは、生産者と意見交換会などを開き、どんな作物がどの畑で環境再生型農業に向いているかを調べている。今後は東京都内で周知イベントを企画している。企業には自社での消費や流通網での協力、消費者には農産物への理解を深めてもらう。
大規模経営の持続可能性に取り組むきっかけは、うらほろ樂舎が地域おこし協力隊の受け入れ協力や学生の農業体験などを進める中で見えた課題だ。大規模経営の農家から、土壌の保水力低下や農業従事者の減少、肥料や農薬、燃料の高騰の悩みを多く耳にした。
「環境再生型農業ならば、不耕起や減農薬で土壌を修復しつつ経費削減や高付加価値が実現できるのではないか」(山内一成代表)と考えて検討を始めたという。
山内代表は「土地の持つ背景の違いや大規模生産とのバランスを取るなど手探りだが、農家の選択肢を増やし、農業の持続可能性を高めていきたい」と意欲を示す。
浦幌町の有機農家で事業に協力している伊場満広さん(46)は「人口減や燃料、肥料の高騰もあり、規模拡大でやってきた農業が今まで通りできるのかと疑問だった。環境再生型農業で地域の農業もコミュニティーも持続できるきっかけになえば」と、今回の試みに期待する。
「ゼブラ企業」のうち、地方を拠点に活動する企業は特に「ローカル・ゼブラ」として定義。中小企業庁が今年度から実証事業を進める。
うらほろ樂舎は全国で選定された20地域のうちの一つ。来年2月の報告書提出に向け、環境再生型農業を通じた生産現場と企業や消費者の連携で、農業の持続性可能性を高める活動を実践している。