同庁によると、台湾に大きな被害をもたらした台風21号は1日午後3時現在、中心気圧998ヘクトパスカル、中心付近の最大瞬間風速30メートルの勢力で東シナ海を北上している。1日夜にも温帯低気圧に変わり、進路を東に転換。3日にかけて九州の西側に最接近する見通しだ。
さらに、21号の北方に秋雨前線が発生しており、温帯低気圧の影響を受けながら3日にかけて沖縄・八重山から九州南部、紀伊半島、東海、関東南部まで延びる勢力に発達。2日夜には前線上に新たな低気圧も発生して大気の状態が極度に不安定となり、九州から関東の太平洋側を中心に突風や落雷、降ひょうを伴う大雨になる恐れがあるとみる。
3日正午までの48時間予想雨量は、最多が長崎の350ミリ、山口、福岡、佐賀300ミリ、四国の太平洋側320ミリ、静岡230ミリ、甲信210ミリ、関東南部180ミリなど。
石川県・能登豪雨では9月21日、線状降水帯の発生で河川が短時間で氾濫し、流域の農地が濁流に飲まれ、多くの家屋が押し流された。最大被災地の輪島市では田畑に大量の土砂が堆積したり、水路が破壊されたりするなど、元旦の能登半島地震からの復旧途上だった農家を直撃。同庁は、今回も急激な大雨となる恐れがあるとして気象情報に注意するよう呼び掛けている。
2日開催予定の第93回土浦全国花火競技大会の実行委員会は1日、予想される大雨などを理由に中止すると発表した。延期も検討したが、「深刻な警備員不足で観客の十分な安全確保ができない」と断念した。有料観覧席のチケットは後日、チケット会社を通じて払い戻すとしている。
同花火大会は、新潟県長岡市の「長岡まつり花火大会」(8月2、3日開催)や秋田県大仙市の「全国花火競技大会」(10月5日開催)と並ぶ日本三大花火の一つとされ、昨年は60万人が訪れた。
(栗田慎一)