【あいち】JA愛知厚生連足助病院(愛知県豊田市)の早川富博名誉院長が、第13回「日本医師会 赤ひげ大賞」で大賞を受賞した。中山間地域における、高齢者の健康寿命を延ばす取り組みなどが評価された。2月21日に東京都内で表彰式がある。
同賞は地域の医療現場で長年にわたり、健康を中心に地域住民の生活を支えている医師を顕彰している。
赤ひげ大賞の受賞を受けて早川名誉院長は「地域のみなさんの支えがあってこその受賞で、感謝しかありません。中山間地域の課題は高齢者対策だけではなく、地域の魅力向上が重要。そのためには地域内経済循環の好循環が必要。今後もみなさんと共に持続可能な地域づくりを目指します」とコメントした。
同病院のある西三河北部の中山間地域は、高齢化が進む。早川名誉院長は、内科部長として同病院に赴任した1996年当時から、過疎地の実情に危機感を感じ、重症化を予防して健康寿命を延ばす仕組みづくりを進めてきた。
在宅医療者を見守る双方向通信システムや電子カルテ導入による医療・介護ネットワークを構築。「へき地健診」によるデータを活かしたロコモ・メタボ予防教室を開設した。
2010年には地域住民や行政、関連事業者らと連携したネットワークを設立。独居高齢者の見守りや移動手段の確保などの活動を展開してきた。20年度の日本農村医学会賞を受賞した。