【神奈川・セレサ川崎】川崎市のJAセレサ川崎の大型農産物直売所「セレサモス」宮前店の職員、瀧澤泰介さん(40)は、アコースティックギターを使った来店誘致を行っている。店舗入口にあるデジタルサイネージの音楽再生機能を利用し、自身が録音したギターの音源を流して来店者を楽しませている。
瀧澤さんは「直売所を少しでも盛り上げるにはどうすればよいか」と考え、高校時代から続けているギターの演奏を店で流そうと思い付いた。同店の興津幸貴店長へ相談したところ「まずはやってみよう」と快諾をもらい、昨年5月から録音した演奏を流し始めた。
これまでに弾いた曲は50曲以上にのぼる。北海道のJAの商品を扱うフェアなら北海道の曲、はちみつフェアならはちみつがテーマの曲など、実施するイベントに関連した曲を選んで流している。録音は主に家で、繊細な表現に気を配りながら2時間ほどかけて1曲を仕上げるという。
一般的に、全国の大型農産物直売所は開店前から並ぶ人も多く、期待感と同時に張り詰めた空気になりがちだが、同店ではサイネージからの情報と共に流れる瀧澤さんのギターの旋律で落ち着いて待つことができるという。
同店のパート職員からも「ギターの心地良い音色なので、店の雰囲気も明るくなる」と喜ばれている。瀧澤さんは「市内や全国の生産者が一生懸命育てた農産物を、音楽を通じてより多くの人に届けられればうれしい。いつかお店でライブができたら」と話した。