
有機古代米入りご飯は葉のマークが4つ。タイのみぞれあんは葉のマークが2つ……。
1月24日、福岡県筑紫野市の私立リンデンホールスクール中高学部の学食。壁に貼られた献立表の料理名の横には、緑色の葉のマークが並んでいた。マークは料理に占める有機食材の割合を示すもので、1つは50%未満、2つは50~80%未満、3つは80~95%未満、4つだと95%以上だ。
小学部も含めた同スクールの給食では、2021年から通年で有機米や有機野菜を100%使用している。給食で出た野菜くずをコンポストでたい肥にして敷地内の畑で使うなど、04年の開校から環境を意識した食育に取り組んできたことの延長だった。

24年には学校給食として全国で初めて、有機をうたう飲食店の基準を示した「有機料理を提供する飲食店等の管理方法JAS」(有機レストランJAS)を取得。同JASでは食材の重量のうち有機食材の割合が80%以上の日を月に5日以上設けなければならない。有機食材の情報や割合を正確に伝える必要があり、献立表のマークもそのために付けた。
決まったメニューを毎日提供するレストランと比べ、献立が毎日変わる給食で有機野菜を調達することは簡単ではない。小中高合わせて約300食分の有機給食を提供できているのは、同市を中心に16ヘクタールで60種類の米や野菜を有機栽培する農園「オーガニックパパ」から仕入れているからだ。不作や端境期で野菜が揃わない時は、全国の有機農家から調達したり、入手できた野菜に合わせてメニューを変更したりするなど、手間も惜しまない。
高校2年の宮原貢輝さん(17)は「家ではあまり野菜を食べないけれど給食なら食べられる」と、大根おろしをたっぷり含んだみぞれあんが載ったタイを口に運んだ。
杉本幸太総料理長(51)は「有機給食は全てが旬のもの。季節の食材に子どもが興味を持ち、食について考えるきっかけになっている」と話した。