時間をどう使うか、お金をどう使うかを自由に選択できる時代。例えば、食事は昔だったら自分で作るしかなかった。料理にも時間をかけるしかなかった。けど、今は違う。
だから自炊をする私は、自分で食に時間を割きたいと選択している。でも、そうでない人もいる。私は食は手作りしたいと思っているけれど、それを誰かに強制したいとは思わない。選択を誰もがより多くできることが大切だと思う。
自分で料理をやらなくていいし、料理をやらなければ他のことに時間を使えるかもしれない。それでも私は料理に時間を割きたい。私は、どんなに忙しくても料理に時間を割くということは、すごい豊かな時間だと思う。
もともと、母が朝から晩までずっと料理している姿を否定的に思っていた。「料理のせいで時間ないじゃん」「家族6人みんなの分を3食も作らなきゃいけなくてつらそう」と思って見ていた。「お母さん、他にやりたいことあるだろうに、なんでずっと台所立っているんだろう」と思っていた。
でも、今は母ができあいの料理ではなく、手作りを選択をしてきた意味をかみ締めている。
選択できないという環境の人もいれば、別に料理はしたくないから選択しないという人もいる。そういう人たちに対して私が「自炊はしないとダメ」みたいな気持ちは全くない。むしろ、そういう風に思って作った料理はおいしくない。自炊だけでなく、自炊は大切だから、田舎は大切だからと何かを強要する社会ではなく、選択の幅を広げることが社会の豊かさだと思う。