大分市のコンビニ・デイリーヤマザキ大分曲店は、県内の農業女子PJメンバーが環境に配慮して生産した農産物や加工品を常設で販売する。「みどり戦略」コーナーとして農水省の「みどりの食料システム戦略」をPR。生産者の販路を拡大しつつ、他店との差別化にもつなげている。
コーナーでは、県内の農業女子PJのメンバー7戸の農産物・加工品を販売する。野菜・果実をはじめ、自然栽培のカボス畑で取れたはちみつや皮を使った菓子など加工品、農業の温室効果ガス排出削減につながる取り組みを表示する「みえるらべる」を取得した米など、環境に配慮した商品が並ぶ。
参加する農家からは、消費者に近い場所で販路が拡大できると好評だ。臼杵市でカボスを作る工藤桂子さんは「これまでインターネットでの販売がメインだったが、直接お客さんが買ってもらえる場所ができた」とよろこぶ。商品の在庫は、各メンバーが管理。個々で確認するだけでなく、棚の写真を撮るなどしてメンバー間でも売れ行きや在庫情報を共有するという。
常設販売は昨年6月から開始。11月には同店でマルシェも行った。メンバーの1人が同店のオーナー・橋永和勲さんと知り合いだったことをきっかけに、九州農政局大分県拠点が県内のメンバーに声をかけた。
みどり戦略の趣旨にも賛同する、橋永オーナーは「店舗として良い刺激を受けられ、他店と差別化も図れる。ここで販売のシステムを構築し、さらに他にも販路を広げることで知名度を高めてほしい」と話す。
大分県拠点でもホームページ上などで取り組みを紹介する。「コンビニは消費者に非常に身近な場所。販売を通じてみどり戦略の認知度向上につながってほしい」と期待する。