実行委員会はオルター・トレード・ジャパン(ATJ)やパルシックなど8団体で結成。ガザの恒久的停戦やパレスチナの和平を求め、人的被害や物価の高騰などの危機を説明した。2024年にヨルダン川西岸地区では子ども102人を含む555人が犠牲になった。ガザでは3月24日までの1週間で730人が死亡。物資高騰に直面し122万人が飢餓状態であると説明した。
パレスチナの農家は14万世帯。ガザ1万5000ヘクタールのうち24年に75%が破壊された。パレスチナ全体で9万ヘクタールのオリーブの木は、23年10月以降5万2300本が根こそぎにされた。24年は15%のオリーブが収穫できなかった。
家畜の飼料となる大麦栽培など畜産支援をするパルシック民際協力部の糸井志帆さん(47)は、ガザ南部の農業が盛んなハン・ユニス県の被害を報告。羊農家70世帯のうち、現在も羊の飼育を継続できるのは39世帯に減ったことや、酪農の女性グループが、仮設の作業所でチーズをあきらめずに作る状況を説明した。
糸井さんは「全てが破壊される中でなりわいを守っている農家がいる。日本の農家には、当たり前の権利が享受できないガザの実態を知ってほしい」と呼び掛けた。
現地の畜産農家のメッセージ動画も紹介された。家を破壊され9歳の息子と水を求めて歩き続けた男性は「私たちの苦しみが理解できるか。人生の最後まで種を植え羊を飼育したい」と訴えた。3月7日、集落が襲撃され羊1500頭が盗難されたハイサム・ザイ-ドさんは「父は自分が殺されても羊に近づけさせないと言ったが、土地と生活が脅かされた」と切実に話した。
オリーブの木は、パレスチナ人にとって収入源だけでなく尊厳でもある。「APLA」の野川未央事務局長は「パレスチナから追い出すために農地や果樹、家畜が狙われている。パレスチナの農家は同情での助けではなく、問題の構造を知り同じ農家として連帯してほしいと願っている」と述べた。
(尾原浩子)

私は、想像を絶する痛みと揺るぎない尊厳に耐えている地から、皆さまにお手紙を書きます。2023年10月7日以来、ガザ地区では1万4500人の子どもと1万7000人の女性を含む4万8000人以上の命が奪われ、11万1000人以上が負傷し、人口の90%が避難を強いられるというジェノサイド(大量虐殺)に直面してきました。
イスラエル軍の空爆の後、弟の引きちぎられた遺体をビニール袋に集めた8歳の少年もいます。これはフィクションではなく、私たちの日々の現実なのです。
この戦争は人命だけでなく、生計手段も標的にしています。ガザ地区では農地の75%以上が破壊され、ヨルダン川西岸地区では78万6000ドゥナム(約7万8000ヘクタール、14%)以上が収奪され、60以上の農村が立ち退きを余儀なくされています。
パレスチナ農業の中心であるオリーブ農家は、絶え間ない攻撃に直面しています。樹齢数百年のオリーブの木が根こそぎにされたり、燃やされたりします。農民たちは殴打され、農地への立ち入りを拒否され、土地と尊厳を剥奪されています。
オリーブの木は単なる作物ではなく、記憶であり、アイデンティティであり、生き延びることそのものです。日本の農家は、土地との神聖な絆を理解しているはずです。しかし、オリーブの収穫中に銃撃されることは想像できますか。想像上の出来事ではなく、現実です。
それでも、私たちは農業をやり通します。植えて、収穫して、そして(自分たちの土地に)戻ります。パレスチナでは、農業は生きるためだけではなく、抵抗であり、回復力であり、希望なのです。
私たちは日本の農家に同情ではなく、連帯を求めています。私たちの声をあなた方の心に、あなた方の畑に、あなた方の協同組合に響かせてください。パレスチナは単なる民族闘争ではなく、世界人類の試練なのです。敬意と連帯をこめて
フアッド・アブサイフ



