梅、降ひょう被害47億円超 過去10年で最大 和歌山
県が21日までに第2報として公表。ひょうは6、11、14、15日に降った。農作物被害額は梅とウスイエンドウで47億2385万円(17日時点)。県は調査を継続しており、今後増える可能性はある。
梅は主産地の田辺市やみなべ町など8市町で落果や傷果などの被害を受けた。田辺市を擁するJAわかやまの紀南地域本部の管内では、栽培面積の95%に当たる2083ヘクタールで被害があった。被害果率が3割を超えた園地は1587ヘクタールに上る。
同市で梅4・5ヘクタールを作付ける那須一令さん(55)は、2ヘクタール弱の園地で8割以上が被災した。残りの約2・5ヘクタールでも1、2割の被害があったといい、「不作だった去年と比べればまだ生育が良く、回復傾向かなと期待していた矢先だったのに残念」とつぶやく。降雨などによる傷果の腐敗にも不安を見せた。
みなべ町を擁するJAの紀州地域本部の管内でも梅の栽培面積の約89%に当たる2161ヘクタールが被災。管内のみなべ町や日高川町では、ウスイエンドウも12ヘクタールで傷果などが発生した。同地域本部は「生産者には大きな痛手。傷ついた作物も出荷できるよう、別規格を設けるなど救済策を検討している」と話す。
施設被害ではスターチスのパイプハウスなど16件でビニールが破損するといった被害があり、被害額は436万円だった。県は昨年のひょう害に対し、営農継続の運転資金として使える融資制度を無利子で活用できる支援策を措置しており、「今回も何らかの支援策で生産者を支援したい」と語る。
被害を受けJAわかやまは、24日に東京都の自民党本部を訪ね、支援要請する予定だ。
(島津爽穂)