[大阪・関西万博25]お米で作ったキャラメル誕生 「主食の新たな魅力知って」江崎グリコが来場者に提供
同社は、大阪万博で放送作家の小山薫堂氏が「食を通じて、いのちを考える」をテーマに企画した、食を題材にしたパビリオン「EARTH MART(アースマート)」に協賛。パビリオンでは、世界に共有したい日本発の25点の食材に、米粉が最初にリスト化されている。同社が、パビリオンの理念と日本の主食であり文化の象徴の米の可能性に着目し、子どもたちの未来にもつながる菓子を目指し、米由来のキャラメルを開発した。
砂糖以外の原材料は米飴、米粉、米たんぱく、米油だ。米飴は甘味料と独特な食感をもたらし、米粉は風味付けに使用。米たんぱくは炊き上げたときの香ばしさや形状の安定に、米油は滑らかな食感と粘着性を調整するために加えた。
開発した同社の栄養菓子・補食事業部の町田貴義さん(52)は「キャラメルづくりでは常識の乳成分を使わずに米だけで風味や食感、形状を安定化させるのが難しかった。新たな米の魅力に気づいてほしい」と語る。
町田さんは2022年から3年かけ、100回以上の試作を経て開発。原材料の米はほぼ国産で、1粒当たりの材料に使った米の割合は半分以上という。使った銘柄は非公表だが、米粉は香りの良さから新潟産が選ばれた。
同社は、米のキャラメルの市販や限定的な量産の予定は現段階ではないとしながらも、米由来の素材を他の菓子開発に生かしたいという。
(木村泰之)