静岡・菊川市の農園
【静岡・遠州夢咲】静岡県菊川市のやぎバラ育種農園の八木勇人さん(43)は、自身のオリジナル品種「ヴァーズ」を、一輪で最も美しく飾るための花瓶「ヴァーズ・ド・ヴァーズ」を完成させた。100個限定で販売。特定の品種用に作られた花瓶の販売は、業界でも珍しい取り組み。
農園では、2年ほど前から、テーマの追求とバラの新たな楽しみ方の提案を目指し、品種専用の花瓶の制作を考えていた。バラを卸す花の小売店の青山フラワーマーケットに相談したところ、賛同をもらい制作に至った。
プロジェクトは昨年12月に始動。花瓶を制作する大阪府のガラス工房「fresco」も交えて3者で検討を重ねた。今回は「ヴァーズ」に着目。花の色味や花びらの大きさ、重なり具合などに合わせて、花瓶の質感やフォルムを決めた。
完成した花瓶は「ヴァーズ」を、35センチの長さでカットすることを想定し、高さ約13・5~14センチの三角すい型に設計した。誰でも簡単に一輪を美しく生けられるよう、口径も小さめにしている。全て手作りの一点もので、底には同農園を象徴する「ArtRose.」の言葉やシリアルナンバーが刻まれている。
八木さんは「バラにも品種があり、一つ一つ個性や表情がある。ヴァーズのためだけにこだわった花瓶ができた」と期待した。
花瓶は、一つ9900円。青山フラワーマーケット南青山本店の「FLOWER VASE GALLERY」やオンラインショップなどで販売する。