

東京都港区に今年3月オープンした専門店「レムズ グリークヨーグルト」では開店以来、毎日客足が絶えない人気ぶりだ。2、3時間待つ人もおり、宅配やテイクアウトも含めて1日最多で300食売れる。人気メニューは国産イチゴなど旬の果実を載せた「シーズナルスペシャル」(1980円から)だ。
同店は「作っても作っても、ヨーグルトが足りない。爆発的な人気」と話す。ヨーグルトは、店内で北海道産牛乳を発酵させて作る。発酵後に水を半分ほど切って完成。酸味が強くなり過ぎないよう、牛乳選びや発酵方法を研究したという。アボカドやトマト、生ハム、サーモンなどを合わせた食事系メニューも人気という。
韓国を発端に専門店が増加
グリークヨーグルトは、水気を切った硬めのヨーグルトだ。牛乳から作り、クリームチーズのような硬さと食感が特徴。国内専門店では、北海道産など国産牛乳を原料にしているところが目立っている。
元々は美容意識が高い韓国でヒットした。同店によると、韓国アイドルがSNSに投稿したところ現地でブームになり、カフェなどで提供するようになったという。
ご当地ヨーグルトメーカーなどでつくるヨグネット(東京都千代田区)によると、日本に専門店ができたのが2022年秋ごろ。これまでのヨーグルトブームと違い、ヨーグルトの購入額が少ない若い世代を中心にSNSで話題になり、今年に入って全国各地で専門店の出店が相次いでいるという。
向井智香代表は「参入しやすいのでカフェなどでも取り入れやすい。しばらくブームは続くだろう」とみる。SNSなどで水切りヨーグルトのレシピ投稿も目立つ中、食事系メニューの定着により、ヨーグルト市場の拡大を期待する。
機能性とおいしさを両立 消費者に好感


食品卸大手の国分グループ本社(東京都中央区)の「クリエイト ギリシャヨーグルト」(350グラム、希望小売価格484円)の販売量も18年に発売してから伸長。24年4月は前年同月の1・5倍だった。国産牛乳100%で製造するブランドサイトでは、焼きヨーグルトやグラタン、といった料理のレシピを多く紹介する。