若い顧客を開拓

同店はSNSでの投稿に力を入れ、多い媒体で1日1回。商品の写真などを発信して、実物を見なくてもイメージしやすくする。花束が並ぶ同店のインスタグラムの画面は、商品カタログさながらだ。プロフィル画面にオンラインショップのリンクを貼って販売につなげる。
客の年齢層は広く、10、20代の若年層の利用も多い。特に成人式や卒業式などでは花を贈る文化が年々定着。実際に販売した成人式の花束を投稿するとSNSで共感を呼んで来年に向けた注文の相談もあり、同店では2月の「フラワーバレンタイン」を超える物日になっている。青いバラをはじめ、バラのブーケが人気を集める。
代表の森俊弥さんは「若い世代からは初めて花を買うという声も多く、SNSが花の購入へのハードルを下げている」と話す。
高価格帯も人気

同店の濱口貴弘さんは7年ほど前からインスタグラムでの発信を始め、今ではフォロワー数が31万人を超える。年齢層では40、50代が一番多い。定期的に行うライブ配信では、製作過程を見せながら旬の花材などを使ったブーケを限定で販売。視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを取れ、「実際に作っている場面を見られてうれしい」「作っているところを見るだけで癒やされる」などの声が届くという。
濱口さんは「製作過程などを配信することで信用が生まれ、ファンになってもらえる」と話す。SNSを見て花を買いに店頭を訪れる人もおり、SNSがファン獲得の鍵となっている。
(菅原裕美)