愛知県豊橋市の廣田農園は、ブロッコリーで大袋を使う。以前はビニール梱包(こんぽう)して段ボール箱出荷していたが、暑くなると水滴がつきやすかったため、大袋に入れたコンテナ出荷に変更。担当者は「ブロッコリーは水滴が大敵。気温が高くても水滴が付きにくく傷みも少なく鮮度を保てる」と効果を語る。
物流事情も普及を後押しする。ベルグリーンワイズは「(トラック運転手の労働規制強化で)消費地まで届く日数が延びても鮮度を保てる商材として、産地の関心は高い」(販促グループ)と話す。
難しいのが脱プラだ。フランスでは22年1月、青果物のプラスチック包装を禁止する法律が施行し、欧州連合(EU)でも規制が強まる。青果物は無包装だと劣化が早まり、かえって食品ロスが増える。相反するともいえるテーマにどう向き合うか、難しい課題だ。
包装フィルム加工を手掛ける精工(大阪市)は18年、植物由来原料を10%配合したプラスチックの包装フィルム「グリーンОPP」を発売。「200ミリ×300ミリ」の袋だと、100万枚当たりの温室効果ガス排出量を27%減らせるという。
トマトやかんきつで需要が高いスタンドパックは、クラフト紙とフィルムを貼り合わせた「紙プラス」が売れ筋だ。紙の面に密着させるフィルムを厚さ15マイクロメートルと従来(40マイクロメートル)から大幅に薄くし、36%の減プラを実現。20年に発売し、「クラフト紙の自然な色合いが好まれる」(営業企画部)と好評で、23年度は前年度比25%増の売り上げを記録した。
(橋本陽平)