市場拡大と並行し、商品の多様化も進む。一例が千切りキャベツだ。パッケージサラダの主力商品で、各社がバリエーションを増やして差別化を進める。
サラダクラブは9月20日、「千切りキャベツ 極細カット」を発売する。細くふんわりとした口当たりを望む消費者の声に応え、従来品の半分の細さにカットする。
細くするほど空気に触れる表面積は増え、鮮度が劣化しやすい。ボリュームと細さのバランスにこだわり、変色を防ぎながら、ふんわり感とみずみずしさを追求した。
同社にとって、千切りキャベツは売上高(264億円・23年度)の約2割を占める看板商品。「極細カット」の売り上げを、千切りキャベツ全体の約2割に引き上げる考えだ。広報・広告宣伝部は「料理の付け合わせやサラダに加え、スープやしゃぶしゃぶなど料理素材としても用途を広げたい」と話す。
ふんわりとした食感を出すため、調達時期や品種、部位によって切り方を変える。「サラダ用」より細くカットし、食感のバリエーションを楽しんでもらう。「ニーズは確実にあり、売り上げは上昇傾向だ」(青果部)。
栗原浩取締役CООは「千切りは1・1~1・2ミリが一般的のところ、0・9ミリを実現した。細く切ると製造効率は下がるが、柔らかな食感を重視した」と、こだわりを話す。(橋本陽平)