和牛子牛67万円に 頭数不足で高値続く 4月
前年同月比は14・5%(8万5542円)高となり、2カ月連続で前年を大きく上回った。上場頭数は同5・4%(1552頭)減少した。
子牛の上場頭数が不足している中、空き牛舎を埋める動きは続く。山口県の山口中央家畜市場は、前月比は9万1035円高。前年比は17万1062円高と大幅に上げた。特に、スーパー種雄牛「福之姫」の血統を持つ「福勝鶴」産子が人気で、上場した去勢5頭のうち2頭が100万円を超えた。牛舎を埋めるため、増体が不十分な子牛にも好値が付き、価格を下支えした。
北海道のホクレン十勝地区家畜市場は、市場移転後初めての開催となり、”ご祝儀相場”で最高価格が170万円となった。大型農家が市場を巡り子牛を調達する動きも強く、南北海道地区家畜市場と北見地区家畜市場も価格がせり上がった。
兵庫の2市場は共に前月から価格を下げたものの、高値を維持した。市場関係者は「訪日外国人の外食需要で枝肉相場も高値」とする。ただ、「トランプ関税の影響を懸念し、子牛調達を弱めた可能性がある」(同)と話す。
今後も上場頭数は減少傾向で推移する。繁殖農家の離農や、資金繰りのために経産牛を早めに市場に出荷するなど、和牛子牛の生産が低迷しつつある。
肥育農家の収入源となる4月の販売価格は、建値となる東京食肉市場の加重平均価格(A5・去勢)が前月比0・7%安の1キロ2533円だった。
今後の子牛取引について「例年5月は下がる傾向だが、頭数減少による品薄感からもちあい」(市場関係者)とみる。
(廣田泉)