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里山眺めて休息タイム 栃木県益子町・道の駅ましこ
栃木県益子町の「道の駅ましこ」は、“ヤギ駅長”のやっくんが芝生広場で出迎えるユニークな施設だ。週末は子ども連れの家族客が多く訪れる。広場のテーブルや敷物の上で直売所の加工食品を食べ、ヤギ小屋と里山につながる風景を眺めながら過ごせる。
道の駅支配人の神田智規さん(45)は「やっくんが草をはむ様子が道の駅をのどかに見せる。ここでのんびりしたいと思うファンを増やす工夫だ」と明かす。
施設の核となる直売所「ましこのマルシェ」は農業者約200人が出荷登録する。野菜売り場の主役は、町を挙げて生産に注力する西洋野菜だ。少人数家族でも食べきれるように、多種類を詰め合わせたセット(1袋324円など)も並ぶ。地元の絵本作家による案内板や従業員が手書きした野菜の絵入り店内広告(POP)は、絵本から抜け出たような温かみがある。
埼玉県久喜市の主婦(30)は、夫や3歳の長女とよく訪れる。「益子町の豆腐などこだわり食品がそろって買いやすい。店の雰囲気もすてき」と話す。
向かいにある観光農園マシコストロベリーファームと連携し、道の駅でイチゴ狩りを受け付ける。小学生から大学生に、大人より220円安い学割料金(1760円)を設定。大学生は平日に多く訪れる。
運営する第三セクター・ましこカンパニーによると、道の駅全体の2021年度の売上高は7億円を超えて過去最高となった。
驚きの連続 好奇心刺激 静岡県島田市・KADODE OOIGAWA
静岡県島田市の体験型フードパーク「KADODE OOIGAWA(カドデ・オオイガワ)」は、JA大井川や大井川鐡道など4者が連携して整備した複合施設だ。鉄道とのコラボで家族客や鉄道ファンを引き寄せる。特産の茶の魅力も遊び心を交えて伝える。
ビュッフェ形式の農家レストラン「ダ モンデ」は、同鉄道の門出駅と直結。停車するレトロ車両や、時期によっては通過する蒸気機関車を窓越しに見ながら、直売所の野菜の蒸し料理などを味わえる。
施設内の大井川流域観光案内所で販売するソフトクリーム「SLソフト」は、蒸気機関車をイメージした黒色でチョコ味の「漆黒」、ミルク味で灰色の「煙」など3種類(各500円)。客は見た目に驚き、交流サイト(SNS)に次々に写真を投稿する。松浦麗広報担当は「子どものいる家族客や若者が積極的に投稿し、それが宣伝になって新たな客を呼んでいる」と手応えを話す。
水道の蛇口をひねると緑茶が出る――。島田市の小中学校に実際にある設備をおしゃれに進化させた「緑茶水道」も注目だ。意外性と茶のおいしさが評判を呼ぶ。透明カップに、江戸時代に大井川の川越しを担った人足(にんそく)のイラストを入れ、川の水位にちなんだサイズ表現で注文する。
茶マルシェでは、おみくじやタブレット端末の緑茶診断で種類豊富な茶を選べる。近年人気のキャンプの屋外調理で緑茶を入れられるシェラカップも売る。施設各所に茶の魅力を発見できるポイントを満載。屋内外に子どもの遊び場も設け、家族全員が楽しめる。
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