遊び心で客足つかむ 8・31「野菜の日」 各地で販促続々
推定摂取量知り健康に 「ベジチェック」設置 関心高まり購買後押し 茨城・JA水郷つくば「サンフレッシュつくば店」
茨城県のJA水郷つくばは4月から、食品メーカーのカゴメが提供する野菜摂取量を推定する機器「ベジチェック」を管内の直売所2店舗に置く。つくば市の商業施設内にあるJA直売所「サンフレッシュつくば店」は、特に子ども連れの家族客の利用が多い。
機器のセンサーに手のひらを押し当て約30秒待つと、端末の画面に1日の推定野菜摂取量と、0~12までの摂取レベルを表示する。厚生労働省が掲げる目標量は1日350グラム以上で、画面上でキャラクターが結果に応じて「少しずつでも野菜を食べてみませんか」「目標量の野菜が取れています」などと助言する。
つくば市の主婦(49)が挑戦すると、結果は150グラム未満。「野菜を食べているつもりだったのに、思ったより少ない」と驚き、店内の野菜売り場に足を向けた。目標量に近いと喜び、不足していたら改善しようと、どちらでも野菜を買う後押しになる。
同店では、客が年齢と摂取レベルに応じてシールを貼る台紙を置き、他の客の測定結果と比べられる工夫もする。櫻井清店長は「シールを貼ると目を引き、消費者参加型の売り場になって客の関心が高まる」と話す。
同JAは、JA共済連茨城の地域貢献活動の一環で助成を受け、JA三井リースを通じて機器を導入した。「旬の農産物の主な栄養素などを売り場で表示して、販促効果を高めたい」(産直課)と健康づくりの面からの訴求を目指す。JA三井リースによると、同県内では7JAとJA全農いばらきで計10台が活用されている。
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「重量当て」が好評 和歌山・JA紀北かわかみ「やっちょん広場」
和歌山県橋本市にあるJA紀北かわかみの直売所「やっちょん広場」では、野菜への関心を高めようと、6月から重量当てのイベントを始めた。野菜と米を詰め合わせ、触れずに見るだけで重さを100グラム単位で予想してもらう。店内で3000円以上購入した客に応募券を渡す。後日、店頭や店のホームページで正解を公表。正解者にピタリ賞として3000円相当の地場産農産物のセットを贈る。
毎月第2土曜日に開催し、多い日は169件の応募があった。普段意識しない、野菜の重さを考えるクイズ要素を取り入れて遊び心を出す。家族で予想し合う姿もある。西谷昭広店長は「来店客に楽しみながら野菜に興味を持ってもらいたい」と話す。
子どもにクイズ、プレゼント企画、POPコン開催 JA福島ファーマーズ・マーケット連絡協
福島県のJA直売所でつくるJA福島ファーマーズ・マーケット連絡協議会は毎年8月の「野菜の日」に合わせて県域で一斉キャンペーンを展開する。今年は27~31の5日間が対象で31店舗が参加。内容や開催日は店ごとにさまざまだ。例えばJA夢みなみの直売所「り菜あん」は、客参加型の企画として子ども向けの野菜クイズを27、28日に開く。その他、語呂合わせで831円以上の購入者に野菜をプレゼントする企画が多い。
同協議会はキャンペーン期間中に売り場に掲げた店内広告(POP)から優秀作品を選ぶコンテストも開く。従業員の間でも野菜の消費拡大を盛り上げる意欲が高まっている。