柿の食感測定、非破壊で 岐阜県が広島大と全国初開発
県は、独自に育成した品種「ねおスイート」のうち、糖度20を超える高糖度の果実を「天下富舞(てんかふぶ)」としてブランド化している。サクサクとした食感が特徴だが、出荷時に軟化した果実が交ざって評価を下げる一因になっていた。
果実を傷つけずに食感を測定するため、県と同大学は果実に音響振動を与えて、食感を評価する方法を開発した。まずは、片手の人差し指に、センサーと音響振動を増幅する装置を付ける。センサーを果実に当てると測定がスタート。スマートフォンで共鳴周波数のデータを解析し、およそ2秒後に結果を表示する。結果は、画面が緑色ならサクサク感が「ある」、赤色ならば「ない」とし、音でも区別できるようにした。また、選果場で使うことを想定し、スマートウオッチでも判定結果を表示できるようにした。
県農業技術センターの鈴木哲也主任専門研究員は「これまでは経験を基に判断していたが、数値で分かるようになった。生産量が増えてもブランドの維持につながる。他品種でも活用できる」と話す。