[営農ひと工夫]ジネンジョのパイプ洗浄 ドリルにブラシ 兵庫県宍粟市の福澤さん
ジネンジョ栽培は、10アール当たり種芋1000本が目安。高品質で真っ直ぐなジネンジョを育てるため、長さ130センチの栽培用パイプに土を入れ、圃場(ほじょう)に埋設するため、種芋と同じ本数のパイプを使う。良いものを作るためには栽培ごとにパイプを洗い、新しい土を入れてやる。このため洗浄作業が欠かせない。通常は手作業で、パイプにある溝に指を入れ、パイプをこじ開けるようにしながら洗浄するため、力も必要で体の負担が大きい。
洗浄機は、市販の電動ドリルを活用した。ドリルにスネークシャフトと呼ばれる自由に曲がる回転軸を取り付け、シャフト先端に洗浄ブラシを装着。栽培用パイプより、やや口径の大きい塩ビ性の洗浄パイプの中にブラシを入れ、ブラシの回転に合わせて水が勢いよく流れるようにした。
作業は、洗浄用の塩ビパイプに栽培用パイプを差し込んで通すだけ。洗浄パイプには、栽培用パイプの溝をはめ込む突起を付けてあり、そこに合わせてセットすれば、栽培用パイプを安定して通せる。 福澤さんは4年前から6アールで600本のジネンジョを栽培する。「パイプを300本まで手洗いした時、無理だと思い洗浄機を考えた」と話す。
福澤さんが所属するJAハリマ自然薯(じねんじょ)部会は約20戸で1・6ヘクタールのジネンジョを栽培する。パイプ洗浄、土入れは、4、5月の植え付けまでに用意する必要があるが、この時期は水稲や他の作物の準備と重なり、忙しい。JAの衣笠嘉晃係長は「多忙で寒い時期の水洗いは、想像以上に重労働」と説明。JAでは、洗浄機を普及させたい考えだ。