生食用桃、極寒冷地でも 岩手県、温暖化を奇貨に 研究体制を強化
桃は、極寒冷地では幹が枯れる凍害を受けやすく、気温が低いと成熟せず甘くなりにくい。県内では、缶詰に使われる加工用の桃は栽培されているが、県は生食用の栽培も実現させ、農家の収益向上につなげたい考え。
県は桃生産に関する研究体制の強化へ、農業研究センター県北農業研究所(軽米町)に担当者1人を新たに配置。一般的に利用されている「おはつもも」を台木に、「さくひめ」「あかつき」「川中島白桃」を育てて、適応性を検証する取り組みも進める。4月に接ぎ木し、育苗を始めている。
「ひだ国府紅しだれ」は、青森県の研究機関で生育した前例がある。一方、山間部にある同町の1月平均気温(平年値)は氷点下2・6度まで下がる。同研究所果樹・野菜研究室の石川勝規室長は「チャレンジングな試みだが、収益性の高い果樹生産を目指したい」とする。
同研究所では、県北地域に適したリンゴ優良品種の開発、サクランボのジョイント栽培技術の研究などにも取り組む予定だ。