振動でトマト害虫抑制 授粉促進の効果も 宮城県など研究チーム
同県名取市であった総合的病害虫・雑草管理(IPM)技術の普及研修会で報告した。
実証は、トマトを誘引する鉄製の棒がつながるパイプに、振動を発生させる装置を付けて行った。実証を担当する県農業・園芸総合研究所は、100ヘルツの周波数など一定の条件で振動を与えたところ、振動を与えなかった場合に比べ、コナジラミ類の成虫は71%、幼虫は55%減ったと説明。トマトの収量は17%増加し、食味への影響もなかったとした。県内の農業法人で実施した試験でも防除効果を確認できたとした。
振動を発生させる装置は、東北特殊鋼が「トマタブル」として商品化を目指していることも紹介された。まずは2025年に宮城県内で限定販売し、その後販売地域を拡大していく方針という。
振動を利用した防除の研究は、県や九州大学、農研機構などが協力して進めてきた。