古民家を利用した農業の拠点「やまだ農園」のかやぶき屋根の維持に必要なススキ。これらが生えている耕作放棄地を〝かや場〟として利用している。今年この場所でかや刈りをすると、日本で一番小さいネズミというカヤネズミが子育てに使う巣を100個以上見つけた。「かや場にすることで、このような生き物が増えて、それらを食べる鷹や鷲などの猛禽類がやってくる。新たに豊かな自然が生まれる証し」と感じている。しかし、このススキが生える草原を維持するのは難しい。人がススキを刈らないで放っておくと、いずれは木が生え森になってしまう。かや場として利用すれば持続的に維持できる。「刈ったかやを畑に敷いたり、肥料に混ぜて利用することで畑の土が良くなる。かやぶき屋根にも利用でき、生き物のすみかにもなる。ここが里山環境のキーポイントの一つかな」
(動画・文=福本卓郎)