青森県は、黒毛和種の「第１久桜（だいいちひさざくら）」を県で１６番目の基幹種雄牛に選抜した。現場後代検定の成績では、さしの多さを示す脂肪交雑基準（ＢＭＳ）ナンバーが９・９で県歴代最高、優れた肉質の割合を示す上物率と５等級率も歴代１位だった。県畜産課は「名牛『安福久』の後継牛は全国的に希少。肉質も優れている」としている。

　血統は、父「安福久」、母「もとくに」、母の父「第１花国」。母「もとくに」は名牛「美国桜」の妹にあたる。２０１８年１０月１３日生まれで体高１２６センチ。


　２３年３月６日から２５年２月１８日に実施した現場後代検定（去勢６頭、雌６頭）では、枝肉重量が４４７・３キロ、ロース芯面積が６２・８平方センチ、歩留まり基準値が７５・３％、バラ厚が７・９センチ、皮下脂肪が２・４センチ、ＢＭＳナンバーが歴代１位の９・９だった。同じく歴代最高となったＡ４以上の上物率と５等級率はそれぞれ１００％、８５・７％。脂肪の質を表す一価不飽和脂肪酸（ＭＵＦＡ）は公表していない。

　４月から全国の生産者向けに精液を販売・供用する。「幸紀花」などの鳥取系や「亀花邦」などの島根系を父とする繁殖雌牛との交配に適するという。同課は「肉質という価格に直結する部分が秀でているのが頼もしい」と期待を寄せる。