大葉の選別~結束を自動化 1時間1250枚、AI判別 愛知・東三温室園芸農協が試験
装置は豊橋技術科学大学と機械メーカーのシンフォニアテクノロジー(東京都港区)が共同で開発した。各農家で導入できるよう装置は高さ1・6メートル、横1・2メートル、奥行き80センチ。電源は家庭用で使われるAC100ボルト。
収穫した大葉を表裏と葉柄の向きをそろえて重ね、400~500枚ほど入るカセットに装着する。カセットを装置本体にセットすると、1枚ずつ吸い上げられ「判定テーブル」に移動。上下からカメラで撮影される。
撮影した大葉の画像から、AIが大きさや葉の向き、傷の有無や大きさ、色などを見分けて選別する。大きさは同農協の規格に合わせ、Mから2Lまで6段階に分ける。穴の大きさも5段階で選別する。選別した大葉は10枚になると、自動で結束され、払い出しボックスに出される。
1カセット当たり約20分で処理する。判別のため、AIには裏7万8000枚、表5万8000枚の画像を学習させた。試験導入の時点で誤判定は1%ほどという。
同農協の大葉部は62人が所属し、昨年は年間1025トンと全国有数の出荷量。選別から結束まで各農家が行い、農協に出荷する。66アールで栽培する鈴木哲也さん(46)は「出荷までの作業を高齢者が担っており、人手不足の状態。装置の導入で少しでも省力化になると期待したい」と話した。
同農協では試験導入を経て、既存の包装設備を拡充し、来年3月完成予定の包装センターに装置5台を導入する見込み。
開発を担当したシンフォニアテクノロジーのコントローラ開発営業室の鈴木健介担当課長は「判定精度を高めつつ、要望に合わせた規格分けに対応していきたい」と話した。同社によると、販売価格は600万~700万円ほどになる見込み。
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