同JAライオンメロン部会が手がける「ライオンメロン」は、マスクメロンの代表といえる「アールス」発祥の地、英国を象徴し、同国の国章にもデザインされている百獣の王ライオンの貫禄と威厳に敬意を払い、「王者の気品と風格を持ったマスクメロンを生産する」という生産者の思いを込めたブランドだ。
栽培方法は、味と品質を重視するため、「一木一果」にこだわっている。1株に実った3個の果実から1個だけを選び、養分を集中させる。また、直接地面で栽培する地床栽培ではなく、地面から離した隔離ベッドで栽培。水分や養分の供給を精密にコントロールする。こうした生産者の努力で、糖度が高く、味わい深いメロンに仕上がる。
「ライオンメロン」は、ガラス温室で栽培されている。温室のガラス天井が南向きに大きく切れたような形になっており、冬でも太陽の光をたくさん浴びて甘くておいしいメロンが育つ。

近年は、夏場の猛暑の影響で温室内が高温になり過ぎ、果実の品質を保つのが困難になってきている。生産資材の価格や燃料費の高騰が続く中、冷房を使わずコストを抑えて栽培する方法として、同JAは温室の屋根に遮熱剤を散布することを提案する。
熱線を多く反射するため、室内環境が安定し、光と温度を最適なバランスに保つことができる。室内の温度が低くなることで、生産者の作業効率も向上する。同部会では作業労力省力化のため、ドローンによる遮熱剤の試験散布を行った。
部会長の山内裕治さん(62)は「体感温度でも5度くらい涼しくなったように感じる。ドローンで作業するので、通常ならば半日かかるところを、5分ほどで完了できた。作業効率が上がり、猛暑も怖くない。今年も良質なメロンの栽培に取り組んでいく」と意気込んだ。
同部会では、管内ショッピングモールでの消費者向け宣伝会の他、同市内の小学校の学校給食にメロンを提供するなど、地元でのPRも積極的に行っている。