私はバーナーの熱でマルチを溶かす方式を何年も前からやっています。以前作っていたものは空き缶の側面にはさみで穴を開けバーナーの出口を差し込む方式でした。ところが差し込んで使っているうちに空き缶の板厚は薄いので、接続部が変形しやすく長持ちしませんでした。そこで丈夫な方式をいろいろ考えてみました。また、バーナーの差し込みは横からでなく上からの方が良さそうだと思い、どのように空き缶とバーナーを接続させるかが課題でした。

19ミリの直管にグラインダーで縦に一筋切り込みを入れます。それを開けば19ミリ径のバーナーの口を差し込めるはず。さらに縦に最初の切り込みの手前2センチを残して3本の切り込みを途中まで入れます。長さは空き缶の半径以上が必要です。

空き缶の中にバーナーの炎が入るので、酸欠になって炎が消えないように空き缶には直径10ミリの穴をいくつかドリルで開けておきます。缶に取り付けた直管加工のアダプターにバーナーの先を差し込むと、パイプの板厚が1ミリと厚いのでしっかり固定できます。バーナーに点火してしばらくすると缶の底が高温に熱せられます。それをマルチに接触させると瞬時に接した部分のマルチのポリが溶けて穴が開きます。以前の横穴式のものより丈夫で耐久性があります。早速、農大でもセイコー農園でも試してみました。申し分ない性能が確認されました。(東京農大アカデミー講師・福田俊) 動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
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