[資材ナビ]ロブストス 押し車式の薬剤噴霧器 ドリフト防ぎ素早く
背負い式の動力噴霧器のノズルに付け替えて使う、動噴アタッチメント。動噴につないだホースの先に二つのノズルが付いており、噴射方向は自由に調整できる。ノズル周囲はビニールで囲い、風のある日も周辺の作物への飛散を防ぐ。散布幅は、畝間に合わせて、ハンドル操作で歩きながら微調整できる。
同社が特許を取得し、製造・販売する。ビニールハウスの資材を応用して作り、安価なのも好評だという。ネギやホウレンソウといった野菜、芋類、花きなど、さまざまな作物の雑草防除に使われている。液肥の散布にも使える。
際までしっかり
同市でナスやネギなどを栽培する塩野央弥さん(31)は露地やハウス約13ヘクタールで利用する。2020年に試作機を使用。「歩きながら散布幅を調整できるので、作物の際までしっかり散布できる」と使い勝手の良さを実感し、21年に完成版を3台購入した。
導入以前は、狙った場所に薬剤が掛かっているか分かりにくい上に、曲がった畝の作物には掛からないように散布するのが難しいといった課題があった。夏場は、作物付近に生えた雑草の手抜き作業が必須だったという。
風がある日でも
塩野さんの圃場(ほじょう)は水田や住宅が近く、ドリフトを懸念して「畑に行ったら風があり、散布できなかったことも多々あった」と振り返る。風が弱い朝は小学校の登校時間と重なり、登校より早い時間は動噴のエンジン音が騒音になるなど、散布できる時間は限られていた。導入によって「散布のハードルが下がり、タイミングに悩まなくなった」と話す。
器具を押して進むだけで確実に薬剤が掛かるため、手持ち式での散布より作業スピードも速くなった。塩野さんは30アールの散布を「一人でやっても1時間もかからない」と話す。散布のむらや、同じ場所に重複して掛けてしまうこともなくなり「使用量も少し減っているのではないか」とみる。
アジャスタブルスプレーヤ
散布幅は40~120センチ。ハンドル開閉操作で散布幅は走行しながら微調整できる。中央の連結パイプの長さを変えれば120センチ以上の拡張も可能。長さ1230ミリ、高さ840ミリ、幅420ミリ。重さは7・2キロ。
フレームにはビニールハウスと同様の丸パイプを使用。ビニールもハウスに使われているパッカーで留めてあり、破れても簡単に張り直せる。散布幅やフレーム幅、ノズル位置などは全て手動で調整でき、特別な工具は必要ない。価格は6万円から。問い合わせは同社ホームページから。
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=A4NW4U-JKS0