ウリ科にはキュウリ、カボチャ、スイカ、ニガウリ(ゴーヤー)、ズッキーニ、トウガン、メロン、マクワウリなどがあります。種の大きさも、カボチャやゴーヤーなど大きいものからマクワウリなど小さいものまでさまざまです。
共通しているのは、種のとがった方から根が出てくる点で、そこをペンチなどで隙間が開く程度に割ってやると、吸水が早まり、発芽しやすくなります。ペンチで割るのにはちょっとした熟練技が必要で、うっかりすると種を破り過ぎてしまい、双葉に障害を与えてしまうことがあります。

そこで以前考え出した道具「たねわりてこちゃん」があります。ほとんど失敗なく、誰でも発芽口を簡単に開けることができます。その仕組みは、2枚の小さな板をちょうつがいでつなぎ、ちょうつがいの間に隙間テープのスポンジを挟んだ簡単な道具です。2枚の板の間に種の発芽口を差し込み、押すと板の隙間が狭くなり種を押します。ピシッと音がしたときには種の発芽口が開いています。マクワウリのような小さな種以外は、全て割ることができます。

育苗箱に市販の培土を2ミリ目で振るって粗粒を2、3センチ入れます。その上に振るった細粒を載せます。種は筋まきにしますが、発芽口を一方向にそろえてまき筋に対して直角に2、3センチ置きに並べます。そうすると発芽後の双葉の方向もそろいます。カボチャなど大きいものは双葉が開く幅を考えて、筋の間隔は10センチぐらい確保します。その他はそれより狭くても大丈夫です。
種を置いた後は細粒を1センチぐらい覆土して板などで鎮圧します。地温が30度になるように設定して発芽を待ちます。本葉1枚が見え始めたら1本ずつ9~12センチポットに移植します。根を少しぐらい切るようにした方が新根は発根しやすくなります。温度は少し低い20度ぐらいの所に置いて、徒長させないように育苗します。
その後、本葉が出始めたら苗の間隔を広げる「ずらし」と呼ばれる作業をしながら、徒長させない、がっちりした苗に仕立てます。ポットの下から根が出るようになれば植え時です。(愛菜家・福田俊)
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