
全部で50本3列に植えられている東側の列は、昨年1月に巨木から杯状の樹形にしました。春から夏にかけて若い枝がどんどん出てきました。杯状の枝から中に向かういわゆる内向枝は、伸びる前に芽を摘み取りました。20~30センチの枝はそのまま翌年の結果枝になるので残しますが、それ以上長く伸びる枝もあります。そのような枝は冬まで置かずに9月中旬に幹から20~30センチの位置で切り詰めました。その枝にも今は花芽がいっぱいついています。
この切り詰めによる花芽誘発は9月中旬しかできない作業で、それより早いと枝が伸び、10月以降遅くなると切ったところは葉芽のままで花芽になりません。経験上、9月中旬が花芽誘発のための切り詰めの適期です。
これはラビットアイの花芽分化の時期が関係すると思われます。枝先に花芽が着く性質があるため切られるとそうなるのでしょう。今年は立派な実が多くなりそうです。

その手順は、切った台木の端に切り出しで深さ1センチ程度の切り込みを入れます。穂木の下をくさび状に切ります。穂木の芽を一つ付けた上で切り、切り込みにくさび状の穂木を差し込みます。左右どちらかの皮に合わせます。皮と木質の境の形成層が合っていれば活着します。差し込んだら、接ぎ木テープの「ニューメデール」を引っ張り伸ばしながら下から巻きます。芽の部分まで全部包み込んで終了です。風による接ぎ木部の折れに注意し、出てくる台芽を伸ばさないようかき取る必要があります。うまく活着すれば年内に1メートル近く枝が伸び、花芽も着いて来年は結実します。(愛菜家・福田俊)
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