天恵緑汁とは韓国の趙漢珪(チョウハンギュ)さんのやり方で、植物や動物を健康に育てる手作りの農業資材です。黒砂糖のミネラルやヨモギのエキス、葉にいた天然微生物が生きている黒褐色の液体で、植物活性剤でもある酵素液です。とても良い香りがします。500倍に薄めて散水すると善玉菌が優勢な環境となり植物が病気になりにくく、目に見えて元気に育ちます。
4、5月、野原や道端に生えているヨモギの成長点部分を採集してくることから始めます。できれば夜明け前、遅くとも日が昇る前までに採ってきます。日が昇ると葉の中で炭酸同化作用が始まり精気が弱まります。手で折れる成長点の部分を採ります。

採ってきたヨモギの葉は包丁やはさみで細かく切り刻みます。砂糖は精製された白砂糖ではなく、ミネラル豊富な黒砂糖でなければなりません。塊の黒砂糖はつぶさなければならないので粉末黒砂糖を使います。粉末黒砂糖はスーパーで容易に手に入ります。漬け込むときはヨモギ重量の半分量の粉末黒砂糖を混ぜます。
漬ける容器は瓶か杉のたるが良いとされていますが、プラスチックの漬物容器でもできます。漬け込んだら、漬物と同じように重しを載せます。重しは空気を抜くもので、液が出てきたら外します。ハエなどが卵を産まないようにきちんとふたをするか、容器全体を不織布などで覆っておきます。

数日から1週間で抽出された黒褐色の液「天恵緑汁」は、容器を横倒しにして抜き取ります。ぽたぽたと滴下するのを長時間かけ回収します。抜き取ったかすは堆肥として畑に入れます。かすもとても良い香りがします。
液はペットボトルに入れて常温の日陰で長い間保存できますが、中で微生物により発酵が続いているのでふたはきつく閉めず緩く閉めておきます。ガスが抜けるようにしておかないとペットボトルが破裂し、汁が泡となり飛び出します。薄めて畑や野菜に散水するだけでなく、天然酵母がぼかし肥料づくりの発酵のもととしても使えます。
長年講師を務めた東京農大アカデミーでも11年間毎年作ってきました。これからはセイコー農園でも天恵緑汁を作り続けて元気なおいしい野菜を栽培していきます。(愛菜家・福田俊)
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