東京農大グリーンアカデミー時代でも10年間垣根に栽培してきました。垣根のライ麦を刈り取った後にはサツマイモを植えるのが時期的にぴったりで、毎年恒例のサツマイモの垣根ができていました。サツマイモを収穫したら、またライ麦をまくというサイクルを繰り返していました。肥料はやらず無肥料でした。
春から始まる貸農園では栽培しませんでしたが、セイコー農園では土づくりと敷きわらを兼ねて毎年畑のあちこちで栽培しています。10、11月に種をまいて4、5月に刈り取り、束ねて稲を乾かすように雨の当たらないところで乾燥させます。穂が出てから刈り取って敷きわら用に使うと種ができていて発芽することがあります。

種用にはそのまま穂を出させて結実させます。6月に入るころには背丈は2メートルぐらいまで伸びています。稲穂と同じように頭を垂れてきたら、穂の下30センチぐらいで切って束ねて、雨の当たらないところに逆さまにぶら下げて干しておきます。穂以外の部分は敷きわらにします。翌年用の種として10、11月までに脱穀します。脱穀機はないので毎年手の親指の爪で穂から種を脱粒しますが、かなり根気のいる作業です。

10月からの種のまき場所は、肥料もやらず、三角ホウでまき溝を切って溝の底に種をパラパラとばらすじまきして、三角ホウの背で覆土鎮圧します。1週間もすると赤い芽が出てきます。芽はやがて緑色になります。年内に1回、年明け2月までにもう1回、麦踏みをします。麦踏みは根張りを良くして霜柱の害をなくし、分けつも促します。12月以降に種をまくと分けつが少なくなるようなので、11月までに種まきを終わらせます。
春、彼岸を過ぎるころから急激に伸び始めます。そのころから5月ごろまでは適宜刈り取って敷きわらとして使うと重宝します。すぐに使わなくても穂が出る前までに刈り取って、雨の当たらないところに逆さにつるして乾燥させておくといつでも使えます。果菜類のポリマルチの代わりにマルチとして使うことができます。ポリマルチに比べ真夏の地温の上昇を抑えます。スイカやカボチャのはい作りの場合、つるが伸びる方向に敷きわらをすると、まきづるがしっかりとわらをつかんで強い風であおられてものびのびと成長します。(愛菜家・福田俊)
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