自然の力を借りて畑を育てる農業を目指したいーー。この思いを胸に、7年間の会社勤めを経て茨城県石岡市に移住し就農5年目になる山田晃太郎さん(36)。小さい頃からずっと生き物が好き。農業は食べ物を作るだけでなく、生き物が育つ環境をつくること。自分が生き物の世界に入れる窓口が農業と、大学生の時に考えた。借りた土地は、広さ2.7ヘクタール。今年も60品目を栽培する計画を立てている。
4月中旬、まずは土づくり。一見原っぱのように見える畑。じっくり見入ると紫色の小さな花が。ヘアリーベッチと呼ばれる緑肥作物の一種を植えている。これをトラクターで、雑草と一緒に土ごと耕していく。「この植物は、冬場養分をため込む」と山田さん。この後エン麦を育て刈り取り、土にすき込む。キャベツやハクサイ、ブロッコリーなど秋冬野菜を植える予定だ。(つづく)
次回の山田君