[おまかせ菜園フクダ流]通路中耕 「龍馬鋤」で深く差す
そもそもこの方法は農具開発で有名な茨城県の沖田和雄さんに教えていただいた方法ですが、とても良い方法なのでそれ以来毎年やっています。沖田さんは通路中耕専用の道具「龍馬鋤(すき)」も開発されています。一見、スコップのようですが幅はスコップより狭く、しかし、足載せ部分はたっぷりあります。ステンレス製でさびることもないのでいつもピカピカです。
フクダ流では年々不耕起栽培をすることが多くなり、休耕することなく同じ畝に連続栽培をすることが多く、畝を耕すことはあまりしなくなりました。しかし、通路は常に踏み固められているので土は硬く固まり、地中には空気がなくなっています。これでは微生物の働きも鈍るでしょう。一般的な中耕は、表面的に耕すことを言いますが、それ対し、ここで言う通路中耕は深さが25センチほどと深いのが特徴です。
具体的な作業方法は、通路中耕する前に通路にぼかし肥料を振ってからします。スコップでもできますが、龍馬鋤は使ってみると硬い土にもすっと入り楽に中耕できます。最初の一差し目は土が硬い場合がありますが、その後は楽になります。
まずすきを通路に足載せ部分まで差し込み、掘り起こすのではなく、そのまま手前に引いて軽く土を起こし、地中に隙間を作ると空気が入ります。そのまますきを抜いて、10センチほど後退して同様の作業を繰り返していきます。通路の土の塊が崩れます。空気が入ることで地中の微生物が活性化し、ふかふかの土になったところへ野菜の根が通路側まで伸びるので、その後の生育がとても良くなります。
通路は踏めば踏むほどまた硬くなりますが、畝は耕せなくても通路中耕は機会あるごとにできるわけで、圃場(ほじょう)全体の土の環境を考えると通路中耕をすることは野菜の生育にはとても有効だと思います。
初夏の時期と冬野菜が生育する秋にやることが多いのですが、それに限らず、思い付いたら一年中、どこか通路を耕しているように思います。 セイコー農園では毎週土曜日の活動日、参加メンバーが多い時にナスやピーマンやトマトなど果菜類の通路を人海戦術で一挙に通路中耕しています。(愛菜家・福田俊)
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