黒大豆も小豆も、共に秋に収穫となります。黒大豆は確実にさやをならせるため、つるぼけ防止の断根摘芯挿し木育苗をしたものを植えます。小豆はそのような操作をしなくても実はなるのでじかまきです。
栽培場所は北側の拡大圃場(ほじょう)でとも思いましたが、無農薬栽培でとなると黒大豆も小豆も害虫対策が必要です。黒大豆はつるぼけしなくても晩夏の着きょう時にカメムシに吸汁されてしまうと収穫皆無になった経験があります。そのため露地栽培はしたくないのです。通常の小トンネルでは両方とも背丈が高くなるので、小さ過ぎて栽培できません。

そこで、園内に三つある長さ18メートルの大トンネル内で作ることにしました。大トンネルは天井に雨よけのポリフィルムが張ってあり、側面は防虫網を張った仕様で間口2メートル、高さも2メートル以上あります。小豆も黒大豆も問題なく伸び伸びと栽培できます。今までも大トンネル内の一部で栽培していましたが、害虫は全く付きませんでした。三つの大トンネルをフル活用すれば、今までの何倍もの拡大栽培ができます。

種はわざわざ買わなくても残しておいた収穫物で賄えます。黒大豆は夏至前から種をまき、挿し木育苗して側枝2本立ちになるので、株間50センチでゆったりと植えます。つるぼけしないので、途中追肥をすればさらに収量が増えます。小豆は6月下旬に種をじかにまきます。特に肥料はやらず、1カ所3粒の30センチ間隔でいきます。間引きはしません。
黒大豆は8月の終わりごろから赤紫色の花が咲き着きょうします。黒豆の収穫は11月後半まで置いて枯れるまで待ってから収穫します。
10月の中旬にはエダマメとしても絶品のおいしさですが、黒豆需要としての人気が高いため、今年はエダマメ収穫をしないかもしれません。
丹波大納言小豆は黒大豆より少し遅れて9月下旬ごろから大きめのクリーム色の花が咲き、順々に着きょうしたものを枯れ始めたものから収穫します。最終的には株全体が枯れた時に片付け収穫をします。今までは量的に少なかったので、仲間内で消費していました。丹波大納言小豆のお汁粉は寒い冬のごちそうでした。今年は量的にまとまって収穫できれば、目的の農協の直売にも出せるでしょう。(愛菜家・福田俊)
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